神魂神社(かもすじんじゃ)
イザナミの大神を祀る本殿は、天正年間(1573~1591年)建立と伝えられており、現存する最古の大社造りとして、国宝に指定されている。 本殿は床下の高さが高く、柱は太く、棟持ち柱が側柱よりも外側に飛び出しており、古い大社造りの特徴をよく残している。 本殿左側にある貴布禰社(きふねしゃ)・稲荷社(いなりしゃ)も安土・桃山時代の建築として国の重要文化財になっている。
浄音寺(じょうおんじ)
本尊の十一面観音立像(木像、高さ1.3m)は鎌倉時代の秀作で、国の重要文化財。中世には神魂神社の神宮寺として栄えたが、今は観音堂だけが残っている。
正林寺・国造北島家墓所(しょうりんじ・こくそうきたじまけぼしょ)
正林寺は山号を徳応山と称し、曹洞宗洞松寺派に属す。 もとは天台宗鰐淵寺(がくえんじ)末に属し、出雲国造家の菩提寺であったといわれている。 ここには中世の五輪塔が残されており、大形のものについては、形態的な特徴から、およそ鎌倉時代後半と判断される。
眞名井神社(まないじんじゃ)
茶臼山の南斜面にある神社で、現在の本殿は江戸時代寛文(かんぶん)2年(1662年)に建てられた。 本殿は典型的な大社造りで、内面に極彩色の壁画が描かれている。江戸時代には「伊弉諾(いざなぎ)社」と呼ばれており、明治初年に眞名井神社の名に変わった。県指定文化財。
八重垣神社(やえがきじんじゃ)
素戔嗚尊(すさのおのみこと)と稲田姫命(いなたひめのみこと)を祀り、縁結びの神社として広く親しまれている。本殿内部に描かれた神像は重要文化財。この壁画は現在は宝物殿に収められているので拝観できる。森の中にある「鏡の池」では土器・土馬などが発見されており、6世紀後半から聖地として意識されていた。
六所神社(ろくしょじんじゃ)
出雲国庁跡の中心部分にある神社で、本殿は大社造り。 出雲国の総社であり、国内の諸神を併せ祀った。境内の一角には、国庁跡発見のきっかけとなった地名「こくてう」を示す石碑が建てられている。